伝説の樹の下で

今日はきらめき高校の卒業式。

恋人達はみんな、悲しそうな顔をしていた。

もちろん私もなんだけど。

詩織ちゃんは一流大学へ進学を決めた。

まぁ詩織ちゃんの頭なら当然ね。

私はというと2流企業への内定が決まっている。

今までは学校で好きなだけ逢えたのに、これからは逢えなくなってしまう・・・

それがとても寂しくて・・・

さっきから涙が止まらないの。



卒業式が始まった。

詩織ちゃんが卒業証書をもらっている間、号泣して

た。 私がもらう時は大泣きしていた。

・・・離れたくない・・・

そんな気持ちが渦巻いてた。



そうして卒業式は終わった。

詩織ちゃんを探しに行った。

しかし、探しても探しても詩織ちゃんは見当たらない。

私は教室へ戻って、荷物を取りに来た。

机の中を見てみると一通の手紙が・・・

「伝説の木の下で待ってます」

そう書かれていた。

読み慣れた詩織ちゃんの文字だ。



そういえば前に聞いたことがある。

詩織ちゃんは伝説の樹の下が夢だってこと。

急いで駆けつけたの。



「あ・・・メグ!」

私は走って伝説の樹の下にやってきた。

その瞬間詩織ちゃんに抱きしめられた。



「改めて言わせて、メグ」

私は静かにしていた。

「私は中学校の時に、メグに出逢って、ずっと見てたわ。」

え、それって・・・

「私は中学の頃から、メグが好きだったの」

」 ああ・・・詩織ちゃん・・・

私って鈍感ね。

そんなことも気づかなかっただけで。

私だって・・・

「私も詩織ちゃんのこと、中学の時から好きだったのよ。」

「メグ・・・」

そういうと抱きしめてくれた。

「私は・・・進路は違うけど、メグのこと愛し続ける、いい?」

いいもなにも・・・

「ありがとう・・・詩織ちゃん

私も私も・・・詩織ちゃんだけだよ・・・」

「そうね・・・この樹の下の伝説・・・偽物だとしたら、私達が本当の伝説にしてみせるわ・・・」

「ふつつかな私だけど、ずっと、詩織ちゃんのそばにいたい・・・」

伝説の樹の話は本当かわからないけど、私達が本物にしていくんだ・・・

「メグ・・・好きよ・・・いつまでも守り続けるわ・・・」

「私も・・・」



「そうそう詩織ちゃん、初任給出たら、何がほしい?」

「メグさえいれば、何もいらないわ」

「そんなこと言わずに何か教えてよ」

「そうね、その時まで考えておくわ」



もう凄く幸せな気分。

詩織ちゃんとだったら、いつまでも一緒に歩いていけそう。

二人が休みの日は、一緒にいようねって約束した。

逢えないわけじゃない、ちゃんと逢える。

詩織ちゃんとずっといたい。

そんな想い、伝説の樹に、心から誓ったの。



この伝説のように、私達の愛も永遠のはずだから・・・





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